フォークソング

みんなで歌おう!
みんなで歌おう! U
みんなで歌おう! U-2
みんなで歌おう! U-3

みんなで歌おう! U

 ユースホステルで歌を歌う。それが死ぬほど嫌だという人もいる。そういう人達だって、たいていは歌は嫌いじゃないと思う。カラオケに行けばマイクを離さず、普段は大好きな歌手の歌を口ずさむ。そんな人も多いのではないだろうか。
 それがユースホステルでは「恥ずかしい」「私は音痴だから」「歌を知らない」と言う。そんな事関係ないじゃないか。旅の恥はかき捨て、では困ることも多いけど、せっかく旅に出たんだ、思い切りストレスを発散させたらどうだろう。それには大声で歌うのが一番だ。
 Kさんの歌はひどい。音程が合ってない、というよりも音程がないと言った方が良い。それでいて声がでかく、よく響く。まるで「ドラえもん」に出て来るジャイアンのようだ。それでもKさんは歌が大好きだ。そして、みんなの人気者だ。音痴だっていいじゃないか。
 H君はギターを持ち歩く旅人だが、はっきり言ってその腕は全くの素人だ。伴奏のコードを一つしか知らず、いつも最初から最後までずっとそれだけを弾いている。もう一年近くなるのに全く進歩しないのも不思議だが、それでも彼は楽しんでいる。とにかく何かしらやってやろう。そんな彼を馬鹿にする人もいるだろうが、私はその気持ちが大切だと思う。
 この二人の場合は極端な話かもしれないが、「うまくなければ」なんて考えたら何もできなくなる。誰だって最初からうまく出来るわけないんだし。別にプロじゃないんだから、上手下手は関係ないよ。いいじゃないか、人に下手くそだなと思われたって。私はそう思う。
 私だって決して上手ではない。よく聞けば目茶苦茶やっているのが分かるはずだ。それでも私は楽器を鳴らし、歌を歌う。何故かって、それは演奏を聞かせるためではなく、演奏を一緒に楽しむためだからだ。

 楽しくなければ音楽じゃない。好きな音楽を聞くだけでも楽しいだろうが、演奏できたら、自分も参加できたら、その楽しさは倍増する。「私は楽器なんかできない」という人だって、歌は歌える。歌が分からなくたって、手拍子は打てる。これだって立派な演奏だ。
 知らない歌だって、二番三番となれば雰囲気でメロディーは何となくつかめてくる。歌詞がわからなくたって、ハミングという手もある。私はよく、初めて聞く曲でも歌や伴奏を合わせたりする。どんな曲だって最初から知っているわけではないのだし、知らないからと言って何もしないのは勿体なさ過ぎる。
 とは言っても、歌詞が分からないより分かる方が楽しい。私は昔、歌を覚えるためにユースホステルで歌詞を書き写していた。たかが歌を覚えるために、そこまでやりたくないという人も多いだろう。そのために歌集という物がある。私も、多くの人に歌を覚える手助けとして役立てば、という思いから歌集を作った。
 この中には、ユースホステル等で歌っている曲の他に、私が大好きな歌がたくさん入っている。それらの歌も、私はぜひみんなで歌いたい。しかし、その歌を知っている人があまりいない。特に私と同じ世代、20代半ばまでの人は。そりゃそうだ、昔の歌ばかりだから。私だってフォークにはまってから覚えたのだ。
 昔のフォークソング、そう聞いただけで「暗い」「くさい」「古い」と思う人もいるだろう。しかし、古くたっていい歌はたくさんある。そういう私も、他にもいい歌がたくさんあると年上の人々に言われ続けているのだが。「なぜこの歌を入れないんだ」と怒られたりもしている。
 今の歌を否定するわけではないが、昔の歌の方がみんなで歌うのに向いていると思う。一人で難しい歌を覚え、カラオケで披露するのも一つの楽しみ方だろうが、それとは別に、歌いやすい歌をみんなで一緒に歌うのもまた別の楽しみ方だ。あまりフォークソングというイメージにとらわれず、踏み込んでみてはどうだろう?
 佐藤君と私とでは、歌に対する考え方は異なる。佐藤君は「もう歌はやめた方がいいのでは」と言うが、私はやめる気はない。と言うより、やめたくない。決して強制するつもりはないが、「風のたより」隊を通じて、少しでも多くの人に歌の素晴らしさを知ってもらえたら、そして一緒にそれらの歌を歌えたらと私は考えている。なんて偉そうな事を書いたりして。

みんなのきい坊
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